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筑波大学 陸域環境研究センターでは、地表面での水の蒸発や熱収支、植生による水の蒸発や二酸化炭素の変換、河川や地下水による物質の移動過程などを、実験観測によって研究しています。20日の一般公開では、ツアー形式で実験観測施設を見学することができました。 熱収支・水収支観測圃場では、地表面における水と熱のエネルギー交換の諸過程を連続観測しています。圃場の形は直径160mの円形で、中心には高さ30mの気象観測鉄塔が立っています。気象観測鉄塔には、超音波を利用して三次元的な空気の流れと温度を測定することができる超音波風速温度計が取り付けられています。データは研究棟のデータ収録室に集められ、リアルタイムで公開されている。 温度勾配型温室と温度-CO2勾配型温室は、温室内部の気温とCO2濃度を制御することによって、地球温暖化が植物の成長に与える影響を研究する施設です。見学会では温室の奥に入ることができ、未来(?)の地球環境を体験することができました。 大型実験水路は、川の働きを調べる施設です。長さ160m、幅4m、深さ2mの大きさで、最大で毎秒1.5トンの水を流すことができます。川の働きを調べる施設としては、世界最大級の規模とか。水と共に流れ出した砂や石は、計量された後、ベルトコンベア-で水路の上流へ運び、再び水路で流すことが出来るようになっているそうです。
<温度勾配型温室の仕組み> 温室の長さは30mあり、片端に換気扇が設置されています。温室の端から入った外の空気が換気扇のある方へ移動する際、日光によって温められます。換気扇の側の気温が、温室外よりも5℃高くなるように、換気扇の強さを変化さます。つまり、温室の中を移動する時間を変化させることによって、温度の上昇を制御する仕組みです。夜や曇った日には、温室の側面に設置したパイプから温かい空気を流して調整。温度-CO2勾配型温室では、パイプからはCO2を出すことによって、CO2の濃度の調整も行っている。
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